設計士が
事例を紹介
Case study #05大阪市生野区の一軒家 新築一戸建て事例
暮らしを支える家の設備。
省エネで快適な暮らしの実現、
「今」必要な家とは何か、
常に考え設計に反映させる。
W発電で光熱費をカット
設備にこだわった省エネの一軒家
まず最初に、この物件の一番のこだわりポイントを教えてください。
そうですね。色々とこだわっていますが、やっぱり一番は省エネですね。太陽光発電とエネファームがついている住宅になっています。
エネファームとソーラー発電のいわゆるダブル発電で、日々の光熱費をおさえることが出来るんです。
その他の設備として、床暖房のヌックや浴室乾燥機のカワックがついているのも特徴です。
黒の外観にあしらわれた
見上げると見える軒天の木目
黒い外観が特徴的ですが、外観などはどのように決まっていくのでしょうか。
今回の新築物件は、固定のお客様がいる物件ではなかったので、社内で意見を出し合って進めました。
当時のFプロジェクトの物件は白が多かったのと、角地で目一杯建てて存在感を出したいということから黒が採用されました。
比較的早い段階から黒は決まりましたね。
下から見上げると木目が印象的なデザインになっていますね。
綺麗でしょ。
木目はどこかに入れたいと思っていて、軒天に入れることで見上げると木目がアクセントになるようにデザインしました。
建売住宅ではあまり見ないデザインだと思います。
ベランダは3方向に壁があって囲われているのですね。
そうですね。お隣も住居なので、お隣と目が合わないよう壁を作って囲む形にしました。
広さは3階のベランダの方が若干広く、天井もなくして抜けを意識しました。あと、このベランダは南向きで採光をしっかりとれるので、道路側からの視界を遮るために、半透明のポリカーボネートを採用しています。扉やサッシはシルバーで統一して、全体的に重たくならないように気をつけました。
その他に外観でこだわったポイントはありますか?
エネファームの置き場所は悩みました。
けっこう大きいんです。
玄関に置くのは嫌だったので、色々と検討した結果、洋室の横に置いて目隠しで柵をつけるようにしました。あとは、コロナ禍になった現状から、宅配ボックスは必須と考え、鍵付きのものを設置しています。
南向きリビングに光を取り込む
そのための工夫が満載
それでは次に、2階のリビング・ダイニング・キッチンについてお伺いさせていただければと思います。
天井の黒が印象的ですね。珍しいのではないですか?
そうですね。普通天井を黒くしてしまうと、部屋全体が暗くなってしまい圧迫感も生まれるのですが、今回南向きの採光面からたくさん陽の光がはいるので問題ないと考えました。 また、壁やキッチン台を白くすることで、取り込んだ光でも十分に明るくなるので、天井は黒にしてみました。
リビング側に屋根付きのバルコニーがありますね。
はい、道路側なので、視界を遮る意味でも屋根を付けています。
リビングとダイニングで照明が違いますがこだわりはあるのでしょうか?
リビング側は全体的に明るくなるように大きめの照明を設置し、ダイニングは料理や手元がはっきりと見えるようにダウンライトを入れています。
キッチンにはたっぷりと収納スペースがありますね。
そうですね。キッチンの後ろは、冷蔵庫以外はすべて収納スペースにしています。
やはりキッチン収納はとても大切だと思うので出来るだけ容量を多くしています。
あと、パントリーはあえて奥行きのある大容量のものを設置しています。
これも奥行きがある方が収納力もそうですが、なにより使いやすいのでこれにしました。
ちなみに、キッチンの建具は全部白で統一して、壁からひとつづきに見えるようにしています。白にすることで室内も明るくなりますし、デザイン的にもいいかなと思っています。
家族のお出かけをスムーズに
玄関にも使いやすくなる工夫が満載
1階は玄関と洋室と水回りですね。それぞれ順番にお話をお伺いさせていただきます。
まず玄関ですが、向かって右が斜めにカットされていますが、どのような意図があるのでしょうか。
これは玄関の渋滞解消のためですね。
斜めにすることで、座る事の出来るスペースをもう一人分作っています。家族で住んでいて、出かけるときに玄関は渋滞しやすいため、渋滞解消の助力になればと思い斜めにカットしました。
玄関収納もたっぷりですね。
収納は天井までのシューズクローゼットがあります。
シューズクローゼットは可動棚なので、用途に合わせて高さを変えたり棚を追加していただけます。
玄関から見える階段の手すりが特徴的ですがあえて選択したものですか?
あれはこだわりましたね。
アイアンの手すりなんですが、1階は扉も多いので、すこしでも圧迫感を減らすために、抜けのあるアイアンの手すりを設置しました。
1階の洋室ですが、ここだけ引き戸なのはやはりこだわりでしょうか。
はい、そうです。
1階は家族の中でも年配の方が使用するケースが多いので、年を重ねても使い勝手はいいように考えました。
洗面台はパーツを一つ一つ吟味
デザイン性もこだわりポイント
水回りの特に洗面スペースにこだわりを感じたのですがいかがでしょう。
そうですね。
洗面台はよくある備え付けの感じにはしたくなかったので、パーツごとに吟味して選びました。鏡は収納スペース無しの木枠のものを選び、収納場所を確保するために棚を設け、クロスは水分でやわくなり汚れも目立つので、水に強くデザイン性も高いタイルを選んだり、ひとつひとつ選ばせてもらいましたね。
奥には収納スペースもありますね。
このスペースは室内干しが出来るランドリースペースにするなどの案があったんですが、最終的には可動できる棚にしようということになりました。 この場所は、奥まっていたので、デザインよりも使い勝手重視で扉は無しにしました。ここにはタオル類はもちろんですが、パジャマや着替えなどを置いてもらえたらいいかなと思っています。
コロナ禍の生活様式に対応
リモートワーク用の作業スペース
最後に3階の洋室についてお伺いしたいのですが、まず特徴はリモートワーク用のスペースでしょうか。
そうですね。これは現在の社会状況や働き方をふまえて設置いたしました。
あえて扉のないスペースを設けて、コンセントや可動式の棚を設置し、在宅ワークやちょっとした勉強も出来るスペースにしました。
写真に写っていないんですが、背面にも収納を設けています。
リモートワーク用のスペースになぜ扉や仕切りをもうけなかったのですか?
これはリモートワークスペースではなく、お子様の勉強部屋となった時に、目が届くようにとの思いから半個室タイプにしています。
収納スペースは洋室すべてにあるんですね。
そうです。やっぱり収納は大切なので設置しています。
3階の1部屋にはウォークインクローゼットもあるのですが、これはリモートスペースを配置したときに生まれた、残りのスペースを活用しています。
設計段階から考慮することで、無駄のないスペース活用が出来ていると思います。
3階の一部屋にある緑のアクセントカラーは印象的ですね。
そうですね。
全部白だと無機質っぽくなってしまうので、この家のメインカラーである黒・白・茶色にあう色を考えて選択しています。たしかこの緑の名前は「宇治抹茶」だったとおもいます。
ちなみに、実は全部屋アクセントとなる差し色を入れているんです。
配色テーマは「かっこいい」
外観が黒なので、内装もかっこよくまとめたくて、細かいところまでこだわってみました。